「2015年度遺伝子組み換え作物に関する講演会と映画上映会」を開催しました

 11月30日(月)、くまもと森都心プラザにて、グリーンコープ生協くまもと主催で「2015年度遺伝子組み換え作物に関する講演会と映画上映会」を開催しました。
 第1部では講師として、天笠 啓祐氏(遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン代表)と、安井 孝氏(今治市産業部営業戦略課長、今治市食と農のまちづくり委員会委員)を招いての講演会を行い、第2部では、遺伝子組み換え作物が健康に及ぼす影響に焦点を当てた最新のドキュメンタリー映画『遺伝子組み換えルーレット ―私たちの生命(いのち)のギャンブル』 を上映しました。
 当日は2015年3月に阿蘇で開催されたGMOフリーゾーン全国交流集会inくまもとの実行委員会メンバー、行政担当者、組合員、まだ組合員でない方など206名が参加しました。
 

【第1部】
○牧理事長より挨拶
 「本日のこの場は、3月のGMOフリーゾーン全国交流集会inくまもとに参加された方々などから、『もう少し天笠さんや安井さんのお話をゆっくり聞きたかった』という声が続々とあったために設けました。ぜひ今日のお話を聞いて、運動に結び付けていただければありがたいと思います。皆さん、しっかり聴いて、次に活かして行きましょう」




○天笠 啓祐氏による講演
演題:遺伝子汚染20年目の現実 GM作物・食品をめぐる最新の動き
 遺伝子組み換え作物・食品の、世界及び日本での現状を説明。また、昨年11月にアメリカで承認された遺伝子組み換え鮭についても話されました。
 

 遺伝子組み換え作物は1996年に栽培が始まり、2014年度には、世界の農地の十数パーセントに当たる約1億8150万haで栽培されている。
 栽培国は圧倒的にアメリカが多く、次いでブラジル、アルゼンチンの順番になっており、日本はこの3カ国から多くの穀物を輸入している。そういう意味で日本は、遺伝子組み換え作物を最も食べている国となっている。
 現在栽培されている遺伝子組み換え作物は主に、大豆、トウモロコシ、ワタ、ナタネの4作物であり、特に大豆は世界の栽培面積の約79%が遺伝子組み換えとなっている。また、4作物の合計を見ると、全体の作付面積3億5400万haのうち、約半分に当たる1億7400万haが遺伝子組み換え作物となっている。
 遺伝子組み換え作物の多くは食用油に加工されており、その油からマヨネーズやマーガリンなどの油製品が作られている。
 この他に日本では、遺伝子組み換えのパパイヤ、アルファルファ、テンサイ、ジャガイモが承認されている。パパイヤは現在栽培していないが、アルファルファは栃木県の畜産草地研究所で、テンサイは茨城県の日本モンサント社のほ場で試験栽培されていた。ジャガイモは2002年以降、アメリカで作付けされていなかったが、昨年、新たなジャガイモが承認され、栽培が始まっているので、今後、日本でもどうなるか分からない。
 遺伝子組み換え作物がもたらしている性質には、植物を全部枯らす除草剤(ラウンドアップやバスタ)に抵抗力を持たせた除草剤耐性と、作物の細胞全てで殺虫毒素ができる殺虫性がある。いずれも、その性質によって手間隙かからず農業ができるということで開発されてきた。現在は、この2つの性質を組み合わせたものが非常に増えてきている。
 遺伝子組み換え作物は、日本人が世界で1番高い割合で食べているという現実がある。例えば、全トウモロコシの栽培量に対する遺伝子組み換えの割合が、アメリカは93%、ブラジルは68%、アルゼンチンは85%となっており、トウモロコシの自給率が0.0%の日本では、その総輸入量の44.8%をアメリカに、30.4%をブラジルに、13.3%をアルゼンチンに頼っている。これを単純計算すると、一般的に販売されている約4分の3のコーン油などのトウモロコシ食品が遺伝子組み換えトウモロコシによるものだということになる。なお、食卓に出回る遺伝子組み換え作物の割合は、大豆が84.3%、ナタネが89.1%、ワタが94.1%である。
 カップ麺を例に見てみると、植物油脂や醤油は原料に遺伝子組み換え作物が使われている。また、たんぱく化水分解物、糖類、加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、乳化剤、ビタミンEなどにも使われている。
遺伝子組み換え食品には3つの問題点がある。
 1点目は、除草剤耐性植物に用いられる除草剤(主にラウンドアップ)の影響。この除草剤に抵抗力のある作物が出てきたため、除草剤の使用量が増加し、作物に残留する量が増えたことで、残留農薬の問題が出てきている。
 2点目は、殺虫性作物の影響。殺虫性作物は、作物全ての細胞の中に殺虫毒素ができるため、私たちがそれを食べることによってどのような影響があるのか、という問題がある。
 3点目は、遺伝子組み換え作物自体の問題。除草剤耐性作物は、ラウンドアップなどの除草剤が作物に入り込んだときに、その成分を分解する酵素を作る遺伝子を作物の中に入れている。従って、その食経験のない酵素の影響も懸念される。
2009年にアメリカ環境医学会が、遺伝子組み換え作物を食べさせた動物実験の結果を分析した結果、「免疫システムへの悪影響」、「出産や生殖への影響」「腎臓・肝臓といった解毒臓器の傷害」という3つの影響が出ていると発表した。免疫システムへの悪影響が出ると、抵抗力が失われるため、病気やアレルギーになりやすくなる。出産や生殖への影響については子孫での数の減少とひ弱になるという結果が出ている。また、カナダのシャーブルック大学医療センター産科婦人科の調査の結果、妊娠している女性の方が妊娠していない女性よりも、除草剤やその代謝物、殺虫毒素の蓄積度が高いことが分かった。その上、これらはへその緒からも多く見つかっており、子どもにも影響を与えていることが分かる。また、フランスのカーン大学の動物実験では、2年間のラットの実験を通して、寿命が短くなってきていることが分かり、さらにメスは大きな乳がんの発生率が高かったこと、オスでは肝機能障害や腎臓の肥大など、解毒臓器への影響が目立った。
 2015年11月19日にアメリカで、動物としては初めて遺伝子組み換え鮭が承認された。この遺伝子組み換え鮭は、通常の鮭の2倍のスピードで成長する。獰猛なため他の鮭を追い払ってメスを独占する一方で、生殖能力が殆どない。そのため次世代につながらず、生態系への影響が大きい。また、海中の有害物質を取り込み、なかなか排出しないため、食品としての安全性が指摘されている。このため200万もの反対意見が集まり、2年間も承認ができなかったが、ついに承認されてしまったので、日本にも入ってくる可能性がある。
 近年、遺伝子組み換え食品が殆ど流通していないヨーロッパでは家畜の飼料に対する遺伝子組み換え作物不使用表示が増えている。アメリカでは来年、バーモント州で遺伝子組み換え食品の表示が始まる予定だが、その一方で、この食品表示法を無効にする法案が出されており、せめぎ合いとなっている。また、台湾、中国、韓国などのアジア各国では遺伝子組み換え作物の表示制度の厳格化が進む中、日本の食品表示基準は非常に緩く、世界から遅れている。今、私たちは遺伝子組み換え食品の厳格な表示を求める署名運動をやっており、なるべく数多く集めて提出したいので、ご協力いただきたい。
 
○安井 孝氏による講演会
演題:今治市の食と農のまちづくり
「今治市の食と農のまちづくり条例」の制定に至る経緯や条例の内容を説明し、今治市における地産地消の取り組みなどについても紹介されました。

 有機農産物は、日本農林規格において、その種や苗をはじめ圃場に使用する肥料などに至るまで、遺伝子組み換え技術が用いられていないものに限る、と定められているが、有機農産物の輸送時におけるコンタミネーション(※) や、栽培中の交雑によって、遺伝子組み換え有機農産物となってしまうことがある。この圃場における交雑を防ぐ対策について、今日は話したいと思う。
 1つはグリーンコープの皆さんがやっているGMOフリーゾーン運動といった市民運動による対策。これは皆さんが自由に広げていける運動として効果的だが、GMOフリーゾーン宣言を行った土地の所有者が代わったときに、その土地の新しい所有者がGMOフリーゾーン宣言を行わず、元に戻ってしまう危険性がある。
 もう1つは、自治体が条例を制定することで、遺伝子組み換え作物の栽培を規制する対策。北海道や新潟県、神奈川県などには遺伝子組み換え作物の栽培等による交雑防止の条例がある。
 今治市では「今治市食と農のまちづくり条例」を制定しており、この条例の中で遺伝子組み換え作物を規制している。
条例を作るためには、市長や県知事が議会に提案する理事者提案による方法と、市会議員や町会議員の側から発議をする議員立法があり、今治市では市長による理事者提案で条例が成立している。
 今治市はタオルと造船が盛んな四国一の商工業の町であり、農業の町ではない。しかし、その今治で条例を作って、農林水産業を基軸としたまちづくりを進めている。
 その理由としては、レモンの防カビ剤(OPPナトリウム)の発がん性が問題となった昭和63年に、当時の今治市の議員の発議により「食糧安全性と安全供給体制を確立する都市宣言」が作られたことがある。これは、農薬や化学肥料をできるだけ使わない土づくりを基本とした生産技術の向上を図り、安全な食糧の安定生産を推進し、市民の健康を守る食生活を実践する、という内容のものである。「今治市食と農のまちづくり条例」は、この都市宣言を受け、市の方針として実行する形で作られた。
 日本は、作物は限定しているものの、国として遺伝子組み換えを承認しているため、自治体で遺伝子組み換え作物の栽培を禁止することはできない。そこで、今治市では有機農産物を推進するために、その障害となるものを除去する目的で「今治市食と農のまちづくり条例」を制定している。この条例は、「地産地消を推進する」、「食育を推進する」、「有機農業を振興する」という3点を理念とし、有機農業の推進の障害となる遺伝子組み換え作物の栽培を規制、交雑の防止も掲げている。また、遺伝子組み換え作物を栽培する際は、栽培する土地の周りの所有者から地域の農業協同組合長、市の農業委員会長や市長まで、全員の同意が必要である、と規定している。遺伝子組み換え作物の栽培を禁止する条例ではないが、実際に遺伝子組み換え作物の栽培を申請してくる人は未だにおらず、こうして条例を持っているだけで抑止力になると考えている。
 その他、この条例には有機農業の推進の一助になれば、という願いが込められている。そのために今治市では、農家に対する補助金制度を設けたり、有機農業の推進講座の開催、土壌分析機の無料貸し出し、バイヤーと生産者の商談会の開催なども行っている。
他方、今治市では学校給食の自校式化を始めた当初から、学校給食における地産地消を推進し、現在、お米は100%地元産、パンの9割は地元産の小麦を使用、豆腐も地元産の特別栽培の大豆を使っている。2015年からは調味料の無添加化と地産地消化を始めている。
 学校給食を変えるだけでは地産地消を進めるには限界があり、地産地消を進めるための教育としてきちんとした『食育』をする必要がある。今治市では、こうして学校給食で培った知識や経験を使って、一般家庭における地産地消の日本型食生活を進めていく、ということを目的としている。そして、きちんとした食育をするためには、地元で採れた食材や有機農産物などの食材を使った、和食や郷土料理の献立が必要である、と今治市では考えている。つまり裏を返すと、遺伝子組み換え食物に食育をする力はないということである。
 今治市は遺伝子組み換え作物を必要としない。私たちは、「今治市食と農のまちづくり条例」を大事に運用しながら、今後もGMOフリーゾーンの拡大に努めて行きたい」

※1 コンタミネーション:意図しない混入

○質疑応答

(安井氏への質問と応答)
Q.今治市の給食費はいくらか。
A.学校によって差はあるが、現在、小学校210円、中学校230円。昨年小麦の価格が上がったが、今治市は9割を地元で作っているので、外国の穀物相場にあまり左右されないで済む。消費税が10%になるときには、もしかすると給食費の値上げもするかもしれない。

Q.学校給食で今治産を使用するにあたり、大変なことはあったか。1番苦労したこと、大変なことは何か教えて欲しい。
A.それまで八百屋の組合から全部仕入れていたものを、JAや有機農家、直売所からも仕入れることによって組合の取扱量が減るため、組合からの抵抗に遭った。それに対しては、有機野菜や地産のものが市場にあれば仕入れるので、どんどん取り扱ってもらうよう、お願いした。また、米については学校給食会と辞職の覚悟を持って交渉した。その結果、今治市は地元産を使うということで、全国での今治市の学校給食会の評判が上がったため、現在は積極的に動いてくれるようになった。

Q.バナナなど、今治産では出しにくいものは給食に出さないのか。どのようにカバーしているのか。
A.給食の献立は栄養士次第なので、今治産でないものも出すことはある。基本的には今治産で用意できないものは出さないけれど、年に数回であれば出しても良いと思う。今治市では、各学校とも100%今治産週間というのを設定しており、そのときは100%今治産のものしか出せないことになっており、栄養士は苦労されていると思う。なお、バナナについては、那覇の直売所と愛媛のみかんを物々交換をしているので、今治の直売所ではバナナも販売している。

Q.個人として、また、今治市として、遺伝子組み換え作物は使わない、有機農業を推進する、といった運動のきっかけについて教えて欲しい。
A.個人としては、有機農業に熱心な神戸大学の保田茂先生のゼミに入って学んだのがきっかけ。今治市としては、給食センターの建替えがきっかけ。当時、近代的な給食センターにしよう、という現職の市長と、給食室の自校式化を公約にした新人候補者が選挙に立候補し、当選した新人候補者が公約を果たす形で自校式化を進めていった。これが今治の転機。あの時、市長が変わっていなければ、今治は多分、地産地消はやっていなかったと思う。

Q.今治市で給食が変わり、学力や健康面での子どもの変化はあるか。
A.ない。1日3食とすると、年間で1095食。そのうち給食は年間の6分の1に当たる185食。残り6分の5が変わらないと、子どもたちは変わらない。給食を変えることによって、給食と同じような食生活をどう取り入れるかが問題。家庭の中で広がれば、少し健康面での違いも出てくるかもしれない。

Q.有機野菜を使う一方で、調味料は無添加でカバーできるのか。
A.今のところ塩と味噌くらい。今年から、無添加の調味料を扱っているメーカーに、給食用として取り入れることで、宣伝効果も得られるということで、給食費を上げずに済むよう価格交渉をする予定。

Q.他の市町村から見学視察やオファーなどは来ているか。
A.直売所については、行政視察で他の市会議員や職員が週1組くらい、JAや農協などの協議会から週2組くらい、と、年間100組は超えている。

Q.なぜ一般の人が有機野菜を食べないのか。
A.1番の理由は価格が高いため。通常、有機のものは一般のものの2割くらい高いが、有機は「一物全体」と言って、一般の野菜では捨てるところまで料理して食べるので、工夫すれば家計に響くことはない。それよりも1番問題なのは、そもそも野菜を食べない、国産のものを食べない、ということ。現在はその土地で生産しているものの競争相手は、他産地の生産物ではなく、携帯やスマホなどの通信料。通信料で増えた支出のために食費を削るため、国産のものが買えなくなり、国産よりも安い外国産を買うようになる。

Q.TPPについてどう思うか。
A.良い方向に向かっていくとは思わない。これに対抗するのは消費者運動しかないと思う。私たちが2006年に今治に農産物直売所「さいさいきて屋」を作ったときのコンセプトには特別に大きな目標があった。1つは、来春、今治市に大手ショッピングモールが開店するが、それが開店しても1円も売上げが落ちない店を目指すこと。もう1つは、TPPが妥結しても、全く影響を受けない農産物直売所を目指すこと。これは、消費者の支援をしっかり得ていればできると思う。農業本来の問題は、消費者の皆さんしか解決できない問題。大きな体制で決まるものを一人ひとりが変えられるのか、と思いがちだが、一人ひとりでないと大きな体制は変えられない、と思って立ち上がって欲しい。

Q.伊方原発の再稼動問題について対策は。
A.お金というものさしで計って、大きな力が動いているので、私たちは別のものさしを身につけてその大きな力と対峙しなければならない。
原発については、放射能汚染が起きた後の子どもたちにおける甲状腺がんなどの調査によると、福島では他県の50倍くらい甲状腺がんの発症が確認されている。しかし、マスコミによる報道は殆どされていない。今はネットなどで調べられるので、警鐘を鳴らし続けることが大事。

(天笠氏への質問と応答)
Q.スーパーで販売されている納豆の原料がカナダ、米国となっているが、「遺伝子組み換えでない」と表示されているものは大丈夫か。
A.今のところは大丈夫。現在アメリカで作られている除草剤耐性大豆は、大豆の種類が違い、油分が多く、大豆自体が納豆には合わない。

Q.ゲノム編集技術について教えてほしい。
A.ピンポイントで目的とする遺伝子の働きを止めることができる技術で、その結果、遺伝子がどこに入るかが分かる。DNAを切断し、くっつける酵素も一緒に入れることでその遺伝子の働きを止め、他の遺伝子をそこに挿入することができる。現在は遺伝子の働きを止めるだけの技術だが、挿入する技術を使っていろいろな実験もされている。遺伝子の働きを止めるだけの技術は、組み換えでは無いからカルタヘナ法(※2) に引っかからず、規制がないということが問題になっている。 
※2 正式名称:遺伝子組み換え生物等の使用等の規制による生物多様性の確保に関する法律

Q.日本では遺伝子組み換え作物の研究栽培は許されているとのことだが、商業栽培も許されているのか。
A.アメリカで承認された遺伝子組み換え作物の大半は、日本での商業栽培も認められている。ただ、消費者の「食べたくない」という声が、日本での遺伝子組み換え作物の栽培を阻止している。今1番問題になっているのは、条例が制定されている北海道で、モンサントが土地を買収したり、JAの人たちに対して攻勢をかけてきていることだ。

Q.「アミノ酸等」の原料は何か。
A.アミノ酸の原料はサトウキビだが、そこから遺伝子組み換え技術を使って作られている。「等」のイノシン酸、グアニル酸などの核酸は全て遺伝子組み換え食品添加物だが、TPPの妥結を前に規制緩和が進み、遺伝子組み換え食品添加物の安全審査が殆どなくなってしまった。

Q.遺伝子組み換え鮭が回転寿司のネタになる可能性は。
A.遺伝子組み換え鮭は現在、カナダで受精卵を作り、パナマの養殖場で養殖してアメリカへ輸出されている。日本の鮭は殆どチリから輸入しているので、今後、受精卵がチリに販売されるようになるとどうなるか分からない。また、アメリカには遺伝子組み換えに関する表示義務が無いため、アメリカで承認されたものはアメリカで流通し、それがたまたま日本に入ってくる可能性もある。

Q.遺伝子組み換え鮭は日本に入ってきているか。
A.承認されたばかりだからまだ入ってきていない。ただし、いつ入ってくるか分からない状況になっている。アメリカでも鮭に関して消費者団体の反対運動が強く、承認撤回の訴えを起こしており、承認取り消しの裁判を行っているところなので、日本でもこの問題を監視することが大事。

Q.活動するに当たり、大変なことは何か。
A.運動を盛り上げること。そのためには、皆さま方のご協力が1番大事。

Q.海のGMOフリーゾーンとは。
A.ちょうど鮭の問題が浮上してきた頃で、農協だけでなく漁協にも働きかけなくては、と考えたもの。私たちは遺伝子組み換えの魚を作らないし、捕らない、というもので、漁協権を持った区域に参加してもらっている。

Q.研究者として、これから世界の食べものは遺伝子組み換えがどんどん増えていくと思うか。それとも消費者が反対して自然の本来の食に落ち着くと思うか。
A.それはせめぎあいだ。私たちが1番怖いのはTPPの成立。TPPが成立してしまうと、食品表示の厳格化を求めることで貿易障壁とされ、訴訟となる可能性がある。そのため、なんとしてもTPPは阻止しなければならない。
Q.3.11以降、放射能汚染について今後の日本の食も含めて、どう考えるか。
A.政府は「今だけ、金だけ、自分だけ」の姿勢。原発事故は過去の問題にしてしまっている。再稼動に関しては、経済的に原発を輸出したいが、稼動していない国が原発を輸出できない、と言うことがあり、再稼動を急がせている。しかし、セシウムの半減期は30年であり、まだ5年も経っていないため汚染はまだ続いており、福島の方々は大変苦労されている。放射能が日本の食を脅かしている。今治のような取り組みも、原発事故が起これば一瞬で終わってしまうので、原発の問題は監視をずっと続けて行くことが大切であり、再稼動は絶対に止めなければならない。

Q.地元で買った苗を自家栽培しているが、苗が既に遺伝子組み換えの苗である可能性はあるか。
A.ない。今、日本では遺伝子組み換えの種や苗は一切販売されていない。これも私たち消費者の「いらない」という声が止めている。
ただし、コーンベルト地帯で採取したトウモロコシの種や、ワタの種などはコンタミ汚染が起きている可能性があるので要注意。また、食品としてではなく、節分の豆まき用として販売されている生の大豆は遺伝子組み換え大豆の可能性があるので、畑に撒かないこと。

Q.遺伝子組み換え鮭に対して200万人もの反対意見があったにも関わらず、なぜ承認されたのか。
A.政府がいかに企業の力で動いているか、ということが分かる実例。

(牧理事長への質問と応答)
Q.グリーンコープの安心・安全で遺伝子組み換えを使用していない調味料を学校給食で使えないか。
A.頑張ってそれぞれの自治体のところへ行って、要望書を届けるなどの運動を皆さん一緒にしていこう。やれないことはないかな、と思う。頑張ろうと思う。

【第2部】

『遺伝子組み換えルーレット―私たちの生命(いのち)のギャンブル』(2012年 米国)の上映会

 映画上映に先立ち、天笠氏が映画に関する補足説明をされました。

ハワイは生物多様性や他への影響が起きにくく、1年中温暖な気候であるため、知る人ぞ知る遺伝子組み換え作物の実験場となっており、ハワイ全体に1000以上もの遺伝子組み換え作物の圃場がある。アメリカのモンサント社など多くの多国籍企業がハワイで遺伝子組み換え作物の実験を行っており、その殆どが除草剤耐性作物である。その圃場では、温暖な気候による害虫や病気の発生から作物を守るために大量の殺虫剤が使われており、近年、その殺虫剤が主な原因で子どもたちの健康に被害が起きていることが分かってきた。
今回観ていただく「遺伝子組み換えルーレット」という映画は、遺伝子組み換え作物や食品を用いた動物実験の例やその被害をまとめた「ジェネティック・ルーレット」(2007年出版)の著者ジェフリー・M・スミス氏が、その後さらにアメリカを中心にいろいろな研究者や研究機関を取材してまとめたものである。遺伝子組み換え食品が健康に及ぼす影響だけで作った初めての映画であり、私たちがこの映画から学ぶことはたくさんあると思う。
最終的に遺伝子組み換え作物が人間や動物、環境へ及ぼす影響については立証しにくいが、因果関係があることは分かるので、私たちが主張してきた「遺伝子組み換え作物が食の安全を脅かす」という問題がはっきり浮かび上がってくると思う

○上映映画の主旨
遺伝子組み換え問題の専門家として国際的に著名なジェフリー・M・スミス氏による、遺伝子組み換え作物が健康に及ぼす影響に焦点を当てた作品。
医学、医療関係者、政府の食品安全審査に関わる研究者、様々な症状に苦しむ子どもをもつ親たち、家畜の健康障害を扱った獣医など、多数の証言と科学的根拠から、いかに遺伝子組みえ食品が人体に危険をもたらしうるかが語られている。さらには、遺伝子組み換え作物や食品を非遺伝子組み換え作物や食品に切り替えた場合の改善なども紹介することで、遺伝子組み換え作物の危険性に警鐘を鳴らすだけでなく、その具体的解決策まで示唆する内容となっている。

○牧理事長より視察報告とまとめ
 2015年11月5日〜9日にフィリピン西ネグロス州で開催された「互恵のためのアジア民衆基金」第六期通常社員総会の参加報告と、現地の視察報告を、画像を用いて行いました。
 この総会で「遺伝子組み換えルーレットー私たちの生命(いのち)のギャンブル」を観て、ぜひ日本でも多くの人たちに観てもらいたい、そして今後の活動にもつなげていきたい、と感じて今回の映画上映会に至った経緯を説明。また、自閉症の子どもを持つ女性がこの映画を観たことで、それまでの食生活を見直し、オーガニックの食事を取るようにしたところ、子どもの体調が回復したという実例を聞いたことも報告しました。

○当日の参加者の感想
・今まで買い物をする際、食品表示を見てはいたもののよく分からなかったが、今日の話を聞いて、やっと理解できるようになったので、子どものためにも、これからも気をつけて見て選ぶようにしていきたい。
・知人が「私はグリーンコープから安心・安全を買っているのよ」と言っていた意味が今日の話を聞いてようやく分かった。主婦なのでついつい安いものを買いがちだが、これからは私も意識して買うようにしたいと思う。
・つい先日、友人と「食べ物が腸の健康に影響する」という話をしていたところだったが、今日の話もつながるものがあった。やはり体にいいものを食べて健康に過ごしていきたい。
・遺伝子組み換え作物は絶対にダメ!と強く思った。
・私たちにもできることはあるのではないか、と思った。まずは周りに今日のことを伝えていきたい。





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